会社の公告について
今回は、会社の公告についての説明となります。
公告
公告とは、ある事項を広く一般に知らせることです。
会社の場合は、会社法によって公告を行う義務が課されています。
公告を怠った場合は、100万円以下の過料が科されることになっています。
公告内容
公告する内容は、法定公告となります。
法定公告とは、法令の定めによって掲載されることが義務付けられているものです。
法定広告には、決定公告と決算公告があります。
決定公告は、会社の合併、登記されている資本金の額を減少する場合、準備金の額を
減少する場合、会社を解散する場合などの公告です。
目的としては、会社の債権者に対して、会社に意見を述べる機会を与えるためです。
決定公告は、必ず官報に公告をしなければなりません。
決算公告は、定時株主総会で承認を得た決算の内容を報告することです。
目的としては、株主や会社の債権者等に対し、会社の経営情報を開示することで
不足の事態の回避や取引の安全を確保するためです。
公告時期
決定公告は、1ヶ月以上の異議申立期間の初日までの日までです。
決算公告は、定時株主総会の終了後遅滞なく公告します。
公告方法
公告方法は、会社設立時に登記される事項となっています。
具体的な方法は、次の3つの方法です。
・官報に掲載する方法
(国が発行する唯一の機関紙で、信頼性も高い。多くの会社が利用している。)
・時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
(購読者が多いため広く告知することができる。
掲載料は、掲載する新聞紙によって異なる。
新たに設立する会社で、利用している会社は少ないと思います。)
・電子公告
(インターネットを利用して、公告内容を掲載します。
掲載ページのアドレスは、法人設立登記に必要となります。)
会社の定款に、公告方法についての定めがない場合は、「官報に掲載する方法」
で公告することになります。
「官報に掲載する方法」以外の方法で公告する場合は、あらかじめ定款で
定めておく必要があります。
決算公告が必要な会社
決算公告が必要な会社は、すべての株式会社となっています。
決算公告が不要な会社
決算公告が不要な会社は、つぎのとおりです。
・合同会社
・金融商品取引法第24条第1項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に
提出することが義務付けられている会社(会社法第440条第4項)
公告方法によって、公告すべき内容
「官報」と「日刊新聞」の場合
貸借対照表の内容またはその要旨を記載したものです。
「電子公告」の場合
貸借対照表の全文を掲載します。
定時株主総会の終結日から5年を経過するまでの間は、継続して会社の
ホームぺージ等で閲覧できる状態にする必要があります。
公告方法の変更
公告方法を変更する場合は、定款変更と登記事項の変更が必要となります。
まとめ
会社の公告についての説明でした。
公告には、決定公告と決算公告がありますが、会社設立時は、決算公告について
理解していれば大丈夫です。
決算公告は、少なくとも毎年1回は行う必要があります。
公告方法の決め方は、重要とする事項を費用面とするのか、掲載内容である
貸借対照表の要旨、あるいは全文とするのかによって違ってくると思います。
会社が、決算公告をするのに無理のない方法が一番いいと思います。